アスリートセックスの面から嗜虐限界

 アスリートセックスの意味合いからみてもアクロバットは、非常に難易度の高いジャンルといえる。

 セックスをスポーツとして捉える傾向は肉体的な官能や肉体言語の世界において成立するが、その中でもアクロバットファックはより高い技巧を必要とする。

 スポーツとしてのセックスはあくまで肉体中心、肉体言語中心(動作ルールによって語り合う)であることが求められるがアクロバットファックの場合はさらにセックスの中で肉体の動作をどこまで高められるかに重点がおかれる。

 肉体中心のセックスと、セックスの中で肉体の動きを高めるというのは似ているようで趣が異なるものとなる。

 ともすれば普段使わない運動をするものだから、肉体を極限まで酷使したり、痛ましささえともなうプレイになる場合も十分ありうる。空間そのものの嗜虐性が高じるという点では、マゾヒスティックですらありサディスティックですらあるとさえいえるのだ。

 動作の主体にはアクロバティックを行うだけのフィジカルが必要になってくるし、受け手もまた耐久力が高くなければならない。必然的に痛みや苦しみが伴ってもくるが、この痛みや苦しみ(具体的には有酸素運動による心拍数の向上など)が快楽と両立されるとき、普通の快楽とは異なるえもしれぬ清涼感が生まれる様式でもある。

 スポーツとしてのセックスにより極限的な嗜好を加えたものがアクロバットとなるのである。マゾやサドだけではない、別の意味での極限への希求がそこにはある。

 関係性の優位、劣位ではなく、肉体の限界としてどこまでできるかの探究。その意味合いで指向されたものがアクロバットファックということなのだろう。

では具体的にはどのようなものがあるだろうか。

 逆吊正常位や立位後背位など筋力を酷使するものが主なものといえるが、女性側が柔軟性の限界に挑戦し、立位後背位の開脚の限界を超えて接合する、間接限界を超えるものや、嗜虐性を高めるためにより勢いをつけて接合を高める嗜虐限界を超えるものなどがあるようだ。

 尻を向けた女性に対し、男性側が勢いをつけるもの、騎乗位スタイルで女性がより高い場所から落下するスタイルのものなど、とにかく通常のセックスの延長線上にありながら肉体の部位をギリギリまで酷使するものがアクロバットとして散見される。

 4P以上であれば【御神輿スタイル】などの肉体の【浮遊感】を高めるプレイも見逃せないだろう。

 この【浮遊感】は女性側にとってみれば、自らの自由を限界まで奪われ、さらに男性側が腕を話せば落下してしまうわけだから、非常に高い束縛感をともなう。

アクロバットでありながら、緊縛プレイ以上の自由を奪われる感覚がそこには存在する。

 この【御神輿】の場合はアクロバットから生じる浮遊感を逆手にとり緊縛性や被虐性を引き出した例といえるだろう。

 このようにアスリートセックスからみるアクロバットとは、既存のセックスの持つ要素の一部分をより特化し増強せしめる作用があるといえるだろう。


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